Besteh! Besteh!

印象論で何かが語られる。オタク、創作、時々、イスラエル。

2022年サークル活動の総括

 この文章は、手足もかじかむクソ寒い通勤電車の中、あるいはエアコンのリモコンを紛失してクソ寒い自宅の中で執筆されています。

 今年もそろそろ一年が終わりそうなのでサークル活動振り返りの時期です。「あんま活動してないだろ」とか言われるのも癪なのでちゃんとこういうの残すのは大事です、大事だろ。大事だって言え。

1.新刊と寄稿

2022年は新刊一冊、寄稿を二本執筆・頒布した他、pixivに一本の短編をアップしています。本当はもう一冊くらい書けてもいんじゃねと思いましたが多分これが現状の実力ベースです。

(1)新刊『V/C[P]』

 

新刊『V/C[P]

 新刊として頒布したのは一次創作小説『V/C[P]』でした。11月の文学フリマ東京で初頒布としました。

 本作は武装女子高生とディストピア社会を組み合わせたナンセンスなバイオレンスアクションと、いった作品で、昨年にも同じような創作をしていましたが、一種の「くだらなさ」あるいは「意味の無さ」をターゲットとしていました。あまり意識したことはなかったのですが「国家」や「歴史」、「暴力」といった大きな物語に対して「無意味さ」で抵抗していくという対比構造が(ニヒリズムとしてではなく)好きなんだと思います、多分。

 文体の面ではスピード感やバイオレンスの表現のために体言止めを多用したりところどころで韻を用いたり、つまりそれって詩とヒップホップじゃんと気づいて、それになったかどうかはわかりませんがヒップホップの言うところのライミングやフロウのような表現を強化しました。やってみてライミングは本当に頭フル回転させないとできないなと痛感し、書くのもだいぶ疲れたのでもうやりたくねえなと思いましたが書き終わると不思議なことに再チャレンジしてみてもいいかなと思っています。

 ちなみに作品をイメージするにあたってよく音楽を利用しますが、本作においてのそれは下記の三曲です。

大神/大怪我

MURO/Chain Reaction

MACKA-CHIN/適当強盗

 昨年に公募の講評で弱点とされた構成の方ではあまり昨年から成長がなかったなというのが正直なところです。ここを克服する手段があまり具体的に見えていないので、とりあえずまた脚本術とかプロットの作り方とか勉強するかなという気分です。気分なので覚悟でも決定でもないです。

 同人誌を印刷するにあたっては今回初めて文庫版サイズとしました。今までずっとA5サイズだったのですが、文章が圧縮されている印象と、それから「くだらなさ」をペーパーバックみたいな形にしたかったのだと思います。ちょっと編集が面倒でしたが文庫版にしてみて、これは結構いいなというのが感想です。

 個人的に書くのに色々と工夫したり苦労したりフロウしたり、初めての文庫サイズの作品なので作者としては結構気に入っていますが、読者からすると上述の構成の弱さにリーダビリティの弱い文章なのであんまりエンタメしてねえかもなと思う次第です。こういうときのために「好きな人は好き」という表現があるんやぞ。

 在庫全然あるんでBOOTHで通販してます。よろしこ。

juken.booth.pm

(2)寄稿「クストリッツァ映画レビュー集」

(『征論』(兵勢社)所収)

 大学時代の歴史オタクの友人らと編集した歴史系評論同人誌『征論』にクストリッツァ映画のレビュー集を寄稿しています。同誌はコミックマーケット100にてサークル「兵勢社」より頒布しました。

 クストリッツァ、そんな作品数ないし行けるやろと高を括っていたら割と時間がかかってしまったり、面白いと思ってた作品がそんなに面白くなかったり、キャリアが進んでいくにつれて過去の縮小再生産になりがちな部分を見せられたいと正直しんどい部分もありましたが一度はこうやって総括レビューをすることも評価やレビューの精度を上げる上で重要だなと痛感する次第。映画監督、初期作品の方が作家性が尖って新規性がある分面白くなりがち問題。

 『征論』全体の編集にも関わらせてもらいましたが、本格的にアカデミックな寄稿もあり、歴史系同人誌としてかなり内容の充実した論考集になっているのではと思います。お買い求めの場合はBOOTHより通販を承っています。

juken.booth.pm

(3)寄稿「銃と少女のエントランスと浸透解体戦術」

(『ボクラ・ネクラ 第五集』(不毛連盟)所収)

 こちらも大学時代に所属していた文芸サークルのOB・OGらが主催している文芸批評サークル「不毛連盟」さんに呼ばれて寄稿したサブカル批評の記事です。

 ①で紹介した『V/C[P]』がそうであるように「銃と少女」(Girls with Guns)をモチーフにしたアニメや漫画が好きなので、これについてその歴史を紐解いたり、ジェンダー論的な視点から批判を加えたりしつつ、「銃と少女」の批評的可能性を拓こうみたいなそんな野心をモチベーションにした論考でした。

 一方で横断的な歴史を語る上での経験不足や、特にジェンダー論については切り口がざっくりしすぎてしまったな、知識不足だな、と思うところが十二分にあるので今後の勉強ポイントです。

 映画レビューもそうですが、論考や批評を書くのは思考の整理として創作のエンジンになるので積極的にやっていきたい。

 

2.イベント参加

 2022年のイベントは直接サークル参加したものとして6月の文学フリマ岩手と11月の文学フリマ東京の二つになります。これについても本当は地方イベントにもう一個出たかったんですが仕事の都合とそもそもそんなに頒布する新刊がないので諦めました。

 

(1)第七回文学フリマ岩手(2022年6月19日)

 前者の文学フリマ岩手は土日の一泊旅行として、土曜日を盛岡観光、日曜日をイベント参加にしてみましたが、これが結構満足度高く正解でした。昼前に新幹線で駅についてちょっと身の回りを整えてから、地元のうまいもの食って郷土・歴史資料館とか美術館行って、チェックインしてちょっと酒飲んで、イベント近くのホテルなら当日朝もゆっくりできるのでかなり充実度があります。東北は酒がバチバチにうまいのが良い。

 イベントも確かに規模は東京のそれよりも小さいですが、頒布数としては東京とそんなに変わりませんでした。会場もすぐに一周できるので、あっち行ってこっち行ってみたいな大変さがないのもよい。

 それなりにお金は掛かりますが、もう旅行と割り切ればこれはこれで全然ありだと思います。ただ日曜の夕方に終わって新幹線に乗って帰宅するのが割と夜遅くで翌日出勤なのはおじさんにはしんどい。
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酒の写真ばっかりじゃねーかよ。

(2)文学フリマ東京35(2022年11月20日

 前日に飲み会でガバガバ酒飲んで二日酔いで参加したことは覚えています。

 正直に言うと予想より頒布数が少なく厳しさを感じました。元々セルフPRが苦手な人間ですが、一応使えそうなツールを色々使ってみてそこまで伸びなかったのでこういうのはもっと泥臭さが必要なんだろうなと痛感しています。同イベントは歴代文フリの中で最大参加者数で、これ自体は喜ばしいことでしたがその中であんまり頒布できなかったのは結構ショックでした。頒布数のためにやっているわけではないですが、頒布しないと意味はないところでもあるので、ここはまた課題かと思います。ポスターとかお品書きを抽象的にやるのやめた方がいいよ。

 

 来年も文学フリマを中心に複数回参加できればと考えています、5月の文学フリマ東京と地方文フリ1~2回、それからもし可能だったら久々にコミティアコミケへの参加も考えています。

 

3.収支

赤字だっつってんだろ。

4.総括と2023年に向けて

 昨年の目標に書いておきながらできていないユーゴスラヴィア魔法少女ノベルスシリーズの完結を2023年中には目指したいと考えています。春までには、というのは既に厳しそうなので2023年の秋になるかと思います。

 また、これを完結させる中でもう一度構成力の点についてインプットが必要なので、ここらへんは勉強必須として、何冊か積んでいるハウツー本を消化するのが目標になりそうです。言うだけならタダだが買った本はタダじゃねーんだよダボが。

 一方で正直構成力については「そこまで必要か?」という疑念があり、まあ程々に、というモチベーションです。今年やったみたいな尖った文体の方が趣味として創作する上でやっぱり面白れえので、そりゃ文体と構成を両立できりゃいいんでしょうけど、第一の目的としてはこの文章でとにかく遊ぶことかなと、とりあえずそういう戦略というか哲学でやっていきます。

 

5.最後に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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