Besteh! Besteh!

印象論で何かが語られる。オタク、創作、時々、イスラエル。

ノイズ、シューゲイザー、低体温。

いつも映画のことばかり書いているので今回は別のことを書きたいと思った。いつも、なんて言うほどブログを更新しているわけではないけれど、そう思う自由と権利を筆者は保有しているはずだ。

それと、そんなに映画も観ているわけではないので、話のネタを広げておくためにも別の引き出しを用意することが重要だと思考する。ブログを書くために趣味やるのだけはやめろ。なんか腹立ってきたな。

この記事の目的は上記のように映画以外にも継続的にテーマとして書けるものを用意すること、加えて映画以外について書くという行為について慣れておくこととしたい。したいが、以下の目的もある。本題に入るのが遅れるがお付き合い願いたい。

筆者がクソ天邪鬼のせいで普段あまり好きなことについて語ることが少ないのでその矯正も目的に含める。バカなのか?けれども、好きなことについて語るというのは非常に難しくて、安易な賞賛はチープさから皮肉に読めることさえあるので、慎重になりたい、そういうことには慎重でありたいんだよ。お前は「母さん父さんじいちゃんばあちやん俺を育ててくれた家族のみんなそしてお前にありがとうyeah」なんて言葉に感動するのか?それはともかく家族と地元は大事にしろよ。大学出るまでに大体養育費3000万円くらい掛かるからな。

嫌いなものを語る言葉は何万遍と用意できるが、好きなものを語る言葉はそう多く用意できない。枕草子の「をかし」って意味込められすぎだろ。エスキモーが雪を幾百もの語彙から表現するように、(筆者は)嫌いなものについては幾らでも表現することができるが、好きなものについてはそうでない。最近そのことをよく痛感する。

なので、好きなものについて語ることにしたかった。それで筆者が何か得するのかどうかはよくわからなかった。

前置きが長くなった。とりあえず筆者の趣味の一つであるっぽい音楽について好きを書いていきたい。

趣味というのはなんかしっくりこない。

音楽を聴く、という行為そのものはあまりしない。どちらかという生活の中で聴き流してる方が遥かに多い。びっくりしたんですが一人でいるときにイヤホン付けなくて大丈夫な人って結構いるんですね。筆者は基本的に私的な時間はイヤホン付けてないとダメになる人間です。耳元から音楽が流れていないと不安定になる。いや病気じゃないが、病気なのか?はっきりしない曖昧な映像。

というわけで筆者は私的な時間以外、基本的に音楽を聴き続

 

随時おすすめのバンド・アルバムを紹介していきます。

 

死んだ僕の彼女『hades(the nine stages of change at the deceased remains』(2015年、n_ingen RECORD)

 「hades 死んだ僕の彼女」の画像検索結果

音楽の感想の書き方全然わかんねえ。

 

2,3年前から国内シューゲイザーにはまって、その時ちょうど始めた音楽配信サービスで見つけたバンドだった。それまではcoaltar of the deepersやきのこ帝国といったメジャーバンドを、または教養としてmy bloody valentineを聴く程度の認識だったシューゲイザーだけれど、このバンドで一気に加速したと勝手に記憶してる。

 

ノイジーなギターに浮遊感のある男女ツインボーカルを基調とするバントで、ジャンル的には先述した通りシューゲイザー、ドリームポップ(だと思う、音楽ジャンルの定義よくわかんねえ)。

 

特に好きなのはバンドのテーマ性で、今回挙げているアルバム他作品にも色濃く反映されているそれは「死」や「喪失感」だ。アルバムタイトルの"the nine stages of change at the deceased remains"が意味しているのは死体の変遷を無常観から描く九相図のことだそうです。

ある種、安易なクソサブカルが好みそうなテーマではあるけれど、少なくともこのアルバムにおけるテーマの一貫性には浅薄さを感じない。どろっとした血の池を白いサンダルでスキップするような感覚にやみつきになる。デカダンとポップの融合、確かに「サブカル」のそれではあるがサブカルチャーであることの醍醐味を十分に発揮していると思う。

筆者が特に気に入っているのは「彼女が暑くて腐ったら」と「吐く息(the last stage oh change at the deceased remain)」の2曲。前者は軽快ながらどこか鈍さを残すメロディに明るい男女ボーカルが彼女の死体その腐敗と喪失を歌う。ラストに駆け抜ける矛盾する喪失感が本当に良い。後者はそれまであったポップさを抜いて、冬の夜みたいな低体温のままひたすらに虚無を歌う。とんでもないエモーショナル。これも後半から高まってくるノイズが一層に低体温を引き立てる。ノイズの中に溶けそうな澄んだ旋律とボーカルをマジで感じてくれ。九相図の終焉に相応しい一曲と言える。

 

"死んだ僕の彼女"はこのアルバムのほかにもいくつかの作品を発表しており、imusicに加入している人ならだいたい聴けるはずだ(2012年のミニアルバム『underdrawing for three forms of unhappiness at the state of existence』はimusicに入ってないけどitunesで買えるから買ってください)。2017年に一度活動を休止したみたいだけど2019年現在はライブ活動やってるっぽいですね(公式HP、Twitterで確認してください)。フロントマンのishikawa氏が企画している"死んだ僕の石川"名義でリリースされているアルバム『幸せの谷の死体』(2016年)もあります。こちらは死んだ僕の彼女のメンバーにゲストを加えたアンソロジー形式の作品。

 

手軽に手に入る・聴くことができるのは下記の作品だと思うのでまとめておきます。

2songs + Cassette Tape E.P / 6songs From The Happy Valley,2007年

https://img.discogs.com/en-tzXWi2nGJPQyeQLa7ivbkCgg=/fit-in/300x300/filters:strip_icc():format(jpeg):mode_rgb():quality(40)/discogs-images/R-3479859-1332035300.jpeg.jpg

 

ixtab, 2010年

f:id:J_Makino:20190309105001p:plain

 

underdrawing for three forms of unhappiness at the state of existence, 2012年

f:id:J_Makino:20190309105237p:plain

 

 

幸せの谷の死体,2016年(※"死んだ僕の石川"名義)https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51zHRIfkQVL._SY355_.jpg

 

レーベルはすべてn_ingen record。

 

とりあえず一回聴いてみてください。

youtu.be

 

なんか後半布教色が強かったな。